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日本政府が中田考氏を活用しない理由 〔天木直人〕

     

20150125_中田考

画像&動画出典:Videonews.com 「中田考氏:イスラム国へのリクルートはしていない・渦中の大学教授中田氏が再出演」
[https://www.youtube.com/watch?v=-wC8E-dG3Ng]

 私は読者からの問い合わせには原則として個別に回答しない事にしている。

 それをやり始めるといくら時間があっても足らなくなるからだ。

 その中でも、これはと思う問いには、メルマガで書くことによって回答に代えさせて頂くことにしている。

 これもその一つだ。

 今度の人質解放で、なぜ政府は中田考氏を活用しないのか、という問いが寄せられる。

 確かにその通りだ。私も活用すべきだと思う。

 安倍・菅政権もあらゆる手段を尽くすと言っているのだから活用しないほうがおかしい。

 しかし、少なくとも現時点では、中田氏がみずからメディアに語っているように、政府からの直接の依頼はないという。

 その理由は次の二つにつきる。

 一つは外務官僚のプライドだ。

 常日頃から活用して来た御用学者や有識者ならいざ知らず、見知らぬ民間人に外交の一端をまかせるなどということはあり得ないことだ。

 ましてや外務省の沽券に係わる重要な外交においては、なおさらそうだ。

 あの金正日総書記の料理人であった藤本氏の時もそうだ。

 金正恩総書記とあそこまで緊密な関係にある藤本氏に、なぜ親書を託すなどして活用しないのかと、私も当時書いた。

 しかし、それは有り得ない事であると知って書いたのだ。

 もう一つの理由は、もっと重要だ。

 そしてこれこそがおそらく政府・外務省が中田氏を使わない、使えない、理由であるに違いない。

 その理由は米国との関係だ。

 米国では、少しでもイスラム国と関係を持った国民はすぐに逮捕され刑を科される。

 なぜならば、彼らこそホームグローンテロリストの危険性があるからだ。

 それは当然と言えば当然だ。

 なにしろ、国内の自爆テロに何度もさらされ、しかもますますその危険性が高まっているからだ。

 ところが日本は幸いにもそのようなテロに遭遇した事は一度もなく、従ってまたテロに対する実感としての脅威はまるでない。

 そのことと関連して、私には次のような実体験がある。

 かつて私がレバノンに勤務して来た時の話だ。

 反米イスラム抵抗組織であるヒズボラの親分であるハッサン・ナスララーという人物に接触することを外務省は許していた。

 だから私もナスララーと直接会って話すことが出来た。

 ところが米国にとってヒズボラは最も警戒すべきテロ集団だ。

 その組織の親分と接触する事自体が国益に反することだ。

 だから米国では政府の方針としてナスララーへの接触が禁じられていた。

 おそらくある時点で米国からねじ込まれたのだろう。

 その時を境に、ナスララーと接触する事が禁じられ、以来私は一度もナスララーに会うことなくレバノンを去った。

 おそらく今も日本の大使はナスララーに会えないはずだ。

 イスラム国と直接のパイプがあり、実際のところシリアを往復してイスラム国と交流があり、日本の若者をシリアに渡航させようと手伝っていた実績のある田中氏は、米国にとってはれっきとしたイスラム国の同志であり、真っ先に逮捕・拘留される人物だ。

 そのような人物に頼み込んで人質解放をはかるなどという事は、米国が聞いたら腰を抜かすほど危険な事なのである。

 今度の人質事件で米国が中田氏を使うなと安倍首相に注文をつけたかどうか知らない。

 しかし、たとえそのような干渉が無かったとしても、米国の意向を忖度して政府・外務省が中田氏を使わない方針を固めていたとしてもおかしくはない。

 あらゆる手を尽くすと公言する安倍首相の言葉はここでもウソだということになる(了)

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. ・彼はこの世にもはや未練はなく、死に場所を求めてイスラムを彷徨ったと言っている。
    ・彼はイスラム社会で戦闘員となり闘って死にたかったが、それが適わなかったと言っている。
    ・彼が実際に銃をかまえた写真も残されている。
    ・彼は公安による家宅捜索を受け、現在も公安の監視下に置かれている。
    ・彼は監視下体制の生活に息苦しさを感じている可能性が高い。
    ・よって、イスラム国の交渉人として派遣した場合、そのままイスラム国へ合流してしまう可能性がある。
    【個人的な結論】彼は日本という国家が交渉人として認めるには、あまりにリスクが高すぎる。

  2. 中田孝氏 公共電波で身分を証「イスラム国とパイプがある」と公言 臆病な僕は、身の安全を考えて 絶対に出来ない勇気ある行動に 拍手です  

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