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「イスラム国」後藤健二さん人質事件に見る、安倍首相の正体 【前編】 〔不破利晴〕

     

画像出典: 2015年1月26日 毎日新聞 [http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150126-00000025-mai-pol]

画像出典: 2015年1月26日 毎日新聞 [http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150126-00000025-mai-pol]

 安倍首相は我々が想像する以上に恐ろしい人間なのかもしれない。
 湯川遥菜さん殺害の映像メッセージに関し、安倍首相は「言語道断の許し難い暴挙」と怒りの発言をするも、映像は合成である可能性や、音声は本人のものではない可能性を指摘する専門家がいる中で、「写真の信ぴょう性は高いと言わざるを得ない」と早々に結論を出してしまった。 
 政治家として、本来ならば「諦めることなく、最後まで人質救出に全力を尽くす」と言うべきところを、なぜか早々に問題に決着をつけたがっているようにしか見えないのだ。
 
 一体なぜだろう?
 その他にも、今回のイスラム国による邦人人質事件では、状況を整理すると安倍首相周辺に不自然な点があるのだ。そして、ここに実は安倍首相の正体が隠されていることを私は気がついた。

安倍首相は後藤健二さん救出の失敗を隠蔽しているのではないか?

 この件に関しては、経済評論家・植草一秀氏が自身のブログ・植草一秀の『知られざる真実』のエントリー「人質交換決定猶予「数時間」を伝えない御用メディア」[※1] において極めて重要な指摘をしている。
[※1:http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-6487.html]

 《公開されたyoutube動画では、後藤健二さんが話しているとの形態で、イスラム国の後藤さん解放の条件が示されている。
 ここで示されているメッセージで最重要の部分は、交渉の期限とも言える時間についての言及である。
 殺害されるまでの時間的猶予について

 hours

 の表現が用いられている。
 「数時間」の意味になる。

 イスラム国は身代金の要求を人質の交換に変更した。
 ヨルダンで拘束されている死刑囚の解放と後藤さんの解放を交換する条件が示された。
 このメッセージが正規のメッセージであり、イスラム国が契約を履行するならば、ヨルダンで拘束されている死刑囚の開放が実行されれば、後藤さんは解放されることになる。
 「人命第一」の対応を取るというのであるなら、直ちにヨルダンと交渉し、この取引を成立させねばならない。

 重要な点は、時間的猶予が「hours」とされたことだ。
 日本のマスメディア報道では、もっとも重要なこのタイムリミットについての説明がほとんど示されていない。
 政府から圧力が加えられて、「数時間」という猶予期間に関する情報を伝えることが禁止されているのかも知れない。
~植草一秀の『知られざる真実』より「人質交換決定猶予「数時間」を伝えない御用メディア」~

【後藤健二さんによる音声メッセージ】
出典:IKEKITA Minoru [https://www.youtube.com/watch?v=WxLhZIQpGAY]

  ここであらためて音声メッセージに触れてみよう。イスラム国から送られ後藤健二さんが語ったとされるものだが、イスラム国側が作成したということでほぼ間違いなく、メッセージの最後の方に次なる文面があることに気がつくはずだ。
 実はここが最も重要な箇所で、日本のメディアもこの部分を意図的にかどうかは定かではないが、本来の意味で翻訳していない場合も見受けられるのである。
  
 Rinko,these could be my last hours in this world.And,I may be a dead man speaking.
 Don't let these be my last words you ever hear.Don't let Abe also kill me.
 
 この英文の本来的な日本語訳は次なるものになるはずだ。
 
 「Rinko(妻の名)、これは私にとってこの世での最後の数時間になるかもしれない。私は死ぬかもしれない。これを私の最後の言葉にしないでほしい。安倍(首相)に私まで殺させないでほしい。」
 
 つまり、後藤さんは「自分にはあと数時間しか残されていない」と言っている(イスラム国に言わされている)のだ。この意味は非常に重い。メディアが最も想像力を発揮しなくてはならない箇所である。
 
 この映像メッセージには非常に重要な経緯が存在していたことが今では分かっている。届いたのは1月24日から25日未明にかけてとされてきたが、実は24日午前中には既に後藤さんの妻宛に送られていたのだ。
 
 ということは、24日午前中時点で既に後藤さんの命は「あと数時間」であると、イスラム国に突きつけられていたことになる。
 政府は「映像の分析を進めていた」「結果として信憑性が高い」などと呑気なことを言っているが、これ要するに安倍政権はイスラム国のメッセージに手も足も出ずに右往左往していたということになる。現に菅官房長官などは、イスラム国とは何のコミュニケーションもできていないことを明言している。
 
 そして、あまり想像したくはないのだが、その間に、もしかしたら後藤健二さんの生死に関してイスラム国側から引導を渡されてしまった可能性が考えられるのだ。つまり、後藤さん救出は完全に失敗に終わったかもしれないということだ。
 安倍首相はこの事実を隠しているのではなかろうか?

そもそも安倍首相は、後藤健二さんの身柄拘束を知らなかったのではないか?

 湯川遥菜さんがイスラム国に拘束されたことが明るみになったのは昨年の8月。このことはテレビでも大々的に報道されており、さすがに政府関係者は皆この事を認識していたであろう。
 
 一方、後藤健二さんの場合、シリアに向けて出国したのが昨年の10月、そして11月初旬には妻宛に約10億円の身代金を要求するメールが届いている。後藤さんの妻はこの事を外務省に報告したのだが、問題はその後の外務省の対応である。
 このような、事態になれば情報は担当職員を通じトップの事務次官に報告され、外務大臣、首相へと情報が連携されてゆくはずである。
 
 しかし、今回の後藤さんの件は岸田外務相にも報告がなされず、無論、安倍首相にも全く情報が流れていなかったのではないかと私は疑っている。実際、そのようなことがあり得るのか? ・・・外務省ではあり得るのだ。
 
 例えば、天木直人氏の場合を例に挙げよう。
 天木氏はイラク戦争当時の小泉政権による日本のイラク戦争加担に意義を唱え、外務省を追われたことは皆が知るところである。
 
 天木氏は、イラク戦争への「意見具申」を「A指定」で二度にわたり外務省宛に公電を送っている。ちなみに公電にはAからEまでランク付けがなされており、首相及び外務大臣までに届けなければならないのが「A指定公電」である。
 ところが、当時の外務省・竹内行夫事務次官は、こともあろうに独断でこの公電を握りつぶしてしまったのだ。
 
 公電は小泉首相に供覧していただいたか?との天木氏の問いかけに対し、竹内事務次官は、「そんなこと僕はしらないよ」と言い、川口外相はお読みいただいたか?との質問に対しても、「それも自分は承知していない」と断言したのだ。
 このような事が現実に起きていたのだ。これが外務省の正体である。
 
 天木直人氏はレバノン特命全権大使を務めたが、この特命全権大使という役職は天皇陛下より直々に辞令が交付される、国家として最も公式的な役職の一つである。
 そんな全権大使のA指定公電を、よりによって事務次官とはいえ一人の官僚が勝手に握りつぶして良いはずがない。これは天皇陛下に対する背信行為であり、国家反逆罪という重罪に匹敵するほどの大罪なのだ。
 そのようなことを竹内事務次官は「君は組織の枠を踏み外してしまったんだよ」との捨てぜりふをと共に天木氏を更迭したのである。いかに外務省が信用のおけない、腐った組織であるかお分かりになるだろう。
 
 そのような事例を知っているからこそ、私は外務省を信用することができないのだ。
 先にイスラム国に拘束された湯川遥菜さんに対し、外務省は職員を現地に派遣することなく、実質的には何もしていない。
 後藤健二さんについても、昨年からイスラム国より身代金の要求がなされ、外務省は身代金交渉は行っていたと主張しているが、この場合も職員を現地に派遣することなく、実におざなりな対応しか行っていなかったようなのだ。
 
 これすなわち、天木氏のケースのように外務大臣、首相に情報を上げておらず、下っ端職員に対応を丸投げしていたからではないのか?
 なぜ私がここまで疑うのかと言えば、例えば「日米同盟」のような国家の根幹に属するアメリカの同盟関係でさえ、本来は国会で審議した上で毎年更新しなければならないのにも拘らず、実態は下っ端職員が事務的に更新処理を行っているからである。(このことは外務省も認めているのだ!)

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