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英国が公開した尖閣棚上げ合意の存在を証明する公文書の衝撃(2014年12月31日) 〔天木直人〕

     

20150219_鈴木善幸_マーガレット・サッチャー

画像出典: 47NEWS(ロイター=共同) [http://www.47news.jp/CN/201303/CN2013030701001287.html]

 国民がみな休暇に入った時を見計らって、年末年始の大手紙は大きなスクープを掲載することがこれまでの常であった。

 今年はこのニュースがそれにあたるのだろうか。

 ロンドン発共同通信がきのう12月30日に衝撃的なニュースを配信した。

 英公文書館が12月30日、1982年9月にサッチャー英国首相(当時)が来日した際の鈴木善幸・サッチャー首脳会談の会談録を公表
したというのだ。

 衝撃的なのは、その会談録の中で、鈴木首相がサッチャー首相に対し、尖閣問題については日中間で棚上げにする(現状を維持する)合意
があることを明らかにしたことが確認されたことだ。

 これは尖閣領有権をめぐる日中対立の今後に、決定的な影響を与えざるを得ないだろう。

 尖閣問題については中国側が再三にわたって、その棚上げ論を提案して来た。

 それに対し、日本政府は一貫して「尖閣問題は存在しない」という立場を繰り返し、棚上げ論を拒否してきた。

 ところが、今回公表された英国の機密公文書は、日本政府のウソを見事に暴露したのだ。

 さすがに英国が公開した公文書が虚偽だとは日本政府は言えない。

 鈴木善幸首相の発言を当時の外務省が起案した事を誰も否定は出来ない。

 つまり尖閣棚上げ合意は間違いなくあり、それを外務省は認めていたということだ。

 まさかこのような公文書を英国が作成し、しかもその極秘文書が公開されるとは誰も予測しなかったに違いない。

 外務官僚たちは、現職の官僚もOB官僚も、自らを偽って尖閣棚上げの合意はないとウソをついてきたのだ。

 あの時中国が尖閣棚上げを提案して来た時、それに応じていれば今頃は日中関係は解決していただろう。

 しかしもはや時遅しだ。

 棚上げに応じない日本を見て、中国は確実に尖閣領有権では譲らない覚悟を固めたようだ。

 このままいけば尖閣諸島の領有権をめぐる中国の攻勢は強まり、日本の領有権の主張はますます追いやられていく。

 それでも日本が尖閣領有を主張するなら、中国は戦争を辞さない覚悟で領有権を主張するだろう。

 日本は戦争の危険性をおかしてまで尖閣領有権を本気で主張する覚悟はないだろう。

 かくして尖閣諸島の中国領有が、既成事実化されていく。

 私が注目したのは、これほど重要な外交文書が英国から公表されたというのに、それを共同通信しか報じなかったことだ。

 しかも共同通信が報じたにもかかわらず、それを掲載したのは大手新聞では東京新聞だけだったことだ。

 地方紙は大きく報じたに違いない。

 きょう12月31日の栃木県の地方紙(下野新聞)は共同の配信を大きく報じていた。

 いうまでもなく尖閣問題は歴史認識問題と並んで来年の日中関係を決定づける最大の外交課題だ。

 英国が公表した鈴木・サッチャー首脳会談録は、いやでも来年になれば、大手新聞も報じざるを得なくなる。

 その時、大手新聞がどのような解説記事を書いてこの英国公文書を評価するだろう。

 安倍首相はこの英国が公開した鈴木・サッチャー会談録をどう評価するだろう。

 安倍首相の対中外交は来年はどうなるだろう。

 来年も尖閣問題から目が離せない(了)

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