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結城法子3等陸佐を嘆いた週刊新潮の記事の殊勲 〔天木直人〕

     

結城法子3等陸佐

Photo by : FNNnewsCH 「チュニジア博物館襲撃 地中海クルーズ最中に事件に巻き込まれる(15/03/19)」 [https://www.youtube.com/watch?v=SdNQfvpFgDA]

 

 きのうのメルマガ第259号で私は書いた。

 結城法子という3等陸佐が休暇中にチュニジア博物館を訪れていて、巻き込まれて負傷していたと。

 この事が国会で取り上げられて中谷防衛大臣が陳謝しているのに、それを報じるのが毎日新聞の一段の小さな記事だけであるのはおかしい、明らかに政府に都合の悪い事は報じないこの国のメディアの情けなさであると。かくなる上は週刊誌に期待するしかないと。

 そのメルマガについて何人かの読者から教えてもらった。

 私は見落としていたのだが朝日なども地方版によっては報じていたと。

 しかし、それでもこの報道が大きな問題として報じられなかった事実は否定できない。明らかに大手メディアは自粛している。

 そしてやはり週刊誌が大きく取り上げてくれた。

 発売中の週刊新潮4月2日号が「これが3等陸佐か、情けない」と題して防衛省さえも嘆いた裏話を書いているのだ。

 何と結城3佐は現地日本大使館を通じて2554字に及ぶ被害手記を公表していたというのだ。

 その内容があまりにもひどい(ここで紹介するのも馬鹿馬鹿しいほどだ)。

 あの佐藤優でさえも怒っているほどだ。

 なぜこの被害手記を各紙は大きく報道しなかったのか。

 防衛省の恥をさらす事になるからだ。

 この事件は、もっともっと国民に知らされなければいけない。

 この国の防衛省はあまりにも甘い組織であるということを国民は知らなければいけない。

 集団的自衛権行使容認を真面目に議論することが馬鹿馬鹿しくなる。

 なるほど、この3等陸佐のテロ巻き添え事件を安倍政権が隠したがっている理由がよくわかった(了)

結城法子さんの手記全文(原文ママ)

日本の皆様には多大なる御迷惑・御心配をおかけしているこ とと思います。申し訳ありません、そしてありがとうございます。事件後、ネットやTVを見ることができず、あそこで何が起きたのか、どのような報道がされ ているのか、全くわかっていません。今はとても人前に出られる状態ではありませんので、文章で失礼させて頂きます。

私と母は、3/14に日 本を出発し、3/15にイタリアのジェノバから7泊8日の予定でMSCスプレンディダに乗り、クルーズに出発しました。3/18の朝8時ごろチュニジアに 到着し、ガイドツアーに参加しました。英語とフランス語のガイドでしたので、話をあまり理解できていなかったかもしれません。

11:30ご ろ、現場となったモザイク博物館に到着しました。2階を見学している時に、ツアーの参加者が「窓の外に銃を持った人がいる」といい、何人もがのぞいていま した。ガイドは、「チュニジアではよくあることだ」と言ったように思います。あまり緊迫感はなく、まさか発砲されるとは思いませんでした。

そ の後、ガイドに部屋を移動するように言われ、移動している途中で銃声が聞こえました。皆走りだしました。しかし、入ろうとした部屋で発砲され、人が血を流 して倒れるのが見えました。前の人々が立ち止まったので、私はうしろへ倒れました。その時、後方から銃声がし、耳に痛みを感じました。部屋の入り口を振り 向くと、男が銃を持って立っていました。顔は見ていません。すぐに頭を手でおおって床にふせました。かなり長い間銃が乱射されていました。身体中に痛みが あり、私は死ぬのだと思いましたが、とても現実のこととは思えませんでした。

しばらくして男が去り、起き上がると部屋には約10名の人々が倒れていました。無傷の人々もいましたが、動かない人もいました。

私 は左手、左耳、首に痛みがあり、血が流れていましたが、大きな問題はなさそうでした。母は私の隣で倒れていました。首から出血し、頭の下に血だまりができ ていました。呼びかけると、「首が痛い」と言い、手足を動かしたので少し安心しましたが、自力で動くことはできませんでした。その後も遠くから銃声や爆発 音が聞こえ、また犯人が戻ってくるかもしれない、と思うと生きた心地がしませんでした。私が母を旅行に誘ったので、本当に母に申し訳ないと思いました。

銃を持った警察が助けに来てくれた時には安心して号泣してしまいました。母を助けるようにお願いしましたが、歩ける人が先と言われ、私は母と別れ救急車へ連れていかれました。

病院へ着くと、パスポートなどが入ったバッグはとられて、携帯もなくなってしまいました。診察を受け、処置を受けた後、全身麻酔が必要なので移動する、と言われ、また救急車で移動しました。外でも、救急室でも、多くの人がいて写真やビデオを向けられ、とても不快でした。

新しい病院にうつると、すぐに病室へ通され、まず局所麻酔で耳の処置をされました。かなりの痛みがあり、それを伝えると、手と背中の処置はもっと痛いので、全身麻酔でする、と言われました。

そ の後、部屋に大勢の人々が入ってきました。チュニジアの首相や、政府の方々に、母を見つけて欲しいとお願いしました。その後、NHKやニューヨークタイム スを名のる人々も来て質問に答えるように言われました。そうしなくてはならないのだ、と思い答えましたが、何を話したのか正直なところ覚えていません。

日本大使館の方がいらして、日本の家族の連絡先を聞かれましたが、携帯がなかったので実家の固定電話しかわからず、なかなか連絡がつかなかったようです。

夕 方になり、母は他の病院で手術を受けていて無事だ、ということがわかり、安心しました。しかし、私も手術が必要だと言われ、手術室へ移動しました。全身麻 酔だったので起きたらすべて終わっていたのですが、手術前と比べ激しい痛みがあり、お願いして痛み止めを使ってもらいました。しかし、母は全く英語が話せ ないので、話が通じているのだろうか、痛みはないか、と不安になりました。手術は3時間ほどで、夜10時をすぎていたようです。

病室へ帰る と、大使館の方と日本人の現地のコーディネーター、という方がいました。私は1日中泣いていたせいで目が腫れあがってあけることができず、その方の顔は見 ていません。大使館の方は母に電話をかけて下さり、母の声を聞いて安心しました。コーディネーターの方は電話をして、日本テレビのインタビューを受けるよ うに言いました。言われるがまま質問に答えましたが、ボーッとしていてはずかしかったので、インタビューをそのままテレビで流していいですか、と言われ断 りました。すると、すでにNHKのインタビューがテレビで流れていて、名前も顔もでているからいいでしょう、と言われました。その時初めてそのことを知 り、ショックを受けました。

翌日の朝にはパスポートなどが入ったバッグが戻り、大使館の方を通じて日本の家族と話すことができました。母も、私のいる病院に転院してきて、一緒の病室に入ることができました。

部 屋をうつった後、部屋の前で「取材をさせて下さい。あなたに断る権利はない」と日本語でどなっている声が聞こえ、ショックでしたが、それは私にではなく、 大使館の方に言っているようでした。大使館の方は、「朝日新聞の記者の方がインタビューをさせて欲しいと言っているが、受ける必要はない。体調も良くない し、インタビューがどう使われるかわからないし、あなたには断る権利があります」と言われました。今まで、義務だと思いインタビューを受けていたので、涙 がでるほどうれしかったです。

昨日、フジテレビの方にも取材を申し込まれました。お断りしようと思いましたが、今の自分の気持ちを伝え、今 後の取材をお断りするかわりにこの文章を書いています。母は今日また手術を受け、その結果によっては日本に帰ることができるようです。私も母も無事です が、体調は悪く、はやく日本に帰りたいです。

チュニジアの方々や日本大使館の方々には大変感謝しています。こちらには情報が入ってこないので、何が起きているのは正確にはわかっておらず、誤解もあるかとは思いますが、どうか私達を静かに見守っていてほしいと思います。

3/20 09:00 結城法子

 

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 1 )
  1. 南様へ

    私も南様とまったく同感です。
    私でしたら旅費が無料でも、その上小遣いまで貰ったとしても、現在のチェニジアに行くことなど絶対にありません(というか、普通、いきますかね??)

    「アラブの春」から5年も経っていないということは、潜在的に大きなリスクがあることを意味すると考えます。しかも、イスラム国はリビアにまで進出しています。
    それなのに観光を企画する旅行会社、そして、それに乗っかり本当に観光に行ってしまう海外も含めたツーリストは、一体何を考えているか全く理解できません。

    こういうことは言いたくありませんが、まさに「平和ボケ」と言う他なく、これこそが「自己責任」の典型だと思います。

    現時で負傷した自衛官については、はぁ~(深いため息)、彼女にたむける言葉など何もありません。
    常識的に考えれば、自衛官を退職された方が彼女のためだと思いますし、何よりも日本のためだと思います。

    こんな状況で安倍首相は有事法制に手をいれるわけですから、あのお方の頭の中も計り知れませんね。

  2. ドイツの飛行機事故で国民の目がそちらに行って助かりましたね。
    呆れる他ないですね。
    無断海外渡航も公務員としてどうかと。
    メディアはどこも沈黙してますね。
    言論統制怖いです。

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