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特定秘密保護法案は僕たちに何をもたらすのか Part2 〔不破利晴〕

     

1984-movie

ビック・ブラザー

 「戦争は平和である。」
 「自由は屈従である。」
 「無知は力である。」

 《「ビック・ブラザー」に率いられる唯一の政党、「偉大なる兄弟」は国民敬愛の対象。
 街中のいたる所に彼の言葉と写真が貼られているが、その実体は謎のままであり実在するかも定かではない。

 さらにこの党自体、核戦争の混乱の中、社会主義革命で成立したとされるが、誰がどのような経緯で革命を起こしたかは、市民の忘却と歴史の改ざんにより明らかではない。

 人口の大半を占める被支配階級労働者たちは、酒、ギャンブル、セックス、人畜無害な小説や映画はふんだんに提供されている一方で、「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョンにより、屋内外を問わず全ての活動が24時間政府によって監視されている。

 ロンドンに住むウインストン・スミスは、真理省の役人として日々歴史改ざんの作業に従事していたが、ある時、禁じられた書物に手を出したことから現体制に疑いを持ち、立ち入り禁止区域の売春婦と関係、自ら望んで性病に感染する。これが彼の内的レジスタンスの始まりでもあった。》
~ジョージ・オーウェルの小説『1984』の概略~

 4月5日のエントリーで『野生の証明』は観ておいた方がいいよ、と書きましたが、『1984』についてはもはや必見!です。
 これを観ずして、もしくは小説を読まずして「特定秘密保護法案」を語ってはいけません。

 なぜかと言えば、この作品は現在安倍政権が画策している(と思われる)世界観を、見事なまでに現しているからです。

 一見、人の良さそうなオジさんですが、安倍晋三氏は恐ろしい方ですよ。正確に言えば、世間知らずが故に、平気で恐ろしいことを妄想、実行してしまうタイプです。
 第一次安倍政権の時も、「国民投票法」「教育基本法」を見事に ”改悪” してしまいました。

埼玉挺身隊事件

 今から80年前の1933年に「埼玉挺身隊事件」がおきました。
 どんな事件かと言えば、これがかなり凄い。

 「救国埼玉青年挺身隊」の中心人物で、元拓殖大生・吉田豊隆(23)らが立憲政友会の鈴木喜三郎総裁を初め、鳩山一郎、島田俊雄、前田米蔵の暗殺を画策していたという事件です。
 ただ、県警察部特別高等課(いわゆる ”特高” )が事前に情報を掴んでいたんですね。
 事件は未遂に終わっています。

 と書けば大したことなさそうですが、問題は背後にいた人物です。

 「栗原安秀」と聞いてピンときたら、あなたは鋭い。
 そう、この栗原安秀中尉こそが、後の「2.26事件」の首謀者として銃殺刑になった一人です。
 つまり、「埼玉挺身隊事件」とは、一般市民をも巻き込んだクーデターの前哨戦のようなものだったのです!

 なぜ、この大事件が特定秘密保護法案と関連するのかと言えば、事件が明るみになったのは吉田豊隆らが逮捕されてから3ヶ月以上も経過してからのことだった、という史実があるからです。
 要するに当時の法律で報道規制が掛かってしまったんですね。
 報道解禁後、新聞などは号外を出すなどしてようやく事件を知らせることができました。これを見た人々はさすがに震え上がりました。

 報道規制がなければ、事態は違ったものになっていたでしょう。
 「2.26事件」も起こらなかったかもしれない。
 「2.26事件」は、その後日本が戦争へ突き進む発端ともなったと言われています。

 特定秘密保護法案の恐ろしさも、史実と照らし合わせて考えると本質が見えてきます。

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