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「9条を守ることが1条を守る」と喝破した柄谷行人の慧眼 〔天木直人〕

     

 9条の存在意義を認め、9条を守れと提言する一人に、柄谷行人(からたにこうじん)という哲学者がいる。

 その柄谷氏が、きょう6月14日の朝日新聞オピニオン面で、なぜ日本に憲法9条ができたのか、そしてそれが今日まで変えられなかったのか、誰もがそのことを今一度きちんと考えてみるべきだ、と語っている。

 そのインタビュー記事の中で私が注目したのは次の言葉だ。

 きわめて重要と思われるので、少し長くなるがそのまま引用したい。

 「憲法の制定過程を見ると、次の事がわかります。マッカーサーは次期大統領に立候補する気でいたので、何をおいても日本統治を成功させたかった。そのために天皇制を存続させることが必要だったのです。ただ、当時、ソ連や連合諸国だけでなく米国の世論でも、天皇の戦争責任を問う意見が強かった。その中であえて天皇制を存続させようとすれ
ば、戦争放棄の条項が国際世論を説得する切り札として必要だったのです。だから、最初の重要なのは憲法1条で、9条は副次的なものに過ぎなかった。今はその地位が逆転しています。9条のほうが重要になった。しかし、1条と9条のつながりは消えていません。たとえば、1条で規定されている天皇と皇后が9条を支援している。それは9条を守ることが1条を守ることになるからです」

 まさしくその通りである。

 もし日本国民がこの事を正しく認識するなら、政治が憲法9条を変えようとしても、国民投票によって必ず否定されることになる。

 さらに柄谷氏は続ける。

 「今の国連で常任理事国になる意味はありません。しかし、国連で日本が憲法9条を実行すると宣言すれば、すぐ常任理事国になれます。9条は単に武力の放棄ではなく、日本から世界に向けられた贈与なのです。贈与には強い力があります。日本に賛同する国が続出し、それがこれまで第二次大戦の戦勝国が牛耳ってきた国連を変えることになるで
しょう。それによって国連はカントの理念に近づくことになる。それはある意味で、憲法9条を持った日本だけにできる平和の世界同時革命です」

 これこそが私が強調してきたことだ。

 私は最強の同志を得た思いで、この朝日新聞の柄谷氏のインタビュー記事を読んだ(了)

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